訳本
やくほん
名詞
標準
translated book
文例 · 用例
本来言へば、すべての良心のある翻訳者は、小宮氏が言つた位のことは自分で訳本の序に書いている筈である、堀口大学君の如きも、その訳詩集に「失はれたる宝石」といふ題をつけてゐるし、故上田敏博士も、訳詩集を出す毎に翻訳の不可能に属することを、自ら告白して謝罪されてゐた。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
ゲーテのライネケフックスの訳本を読んで聞かせてくれたり、十歳未満の自分にミルの経済論、ルソーの民約論を教授してくれるという予告だけでもしてくれた楠さんは、たしかにその時代の新人であり、少なくも自分にとっては、来るべき「約束の国」の先触れをする天使の役をつとめてくれたように思われる。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
ゴム長靴の脛だけの部分、アラビアンナイトの粟粒のような活字で埋まった、表紙と本文の半分以上取れた英訳本。
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
外国文学では流行していたアーヴィングの「スケッチ・ブック」やユーゴーの「レ・ミゼラブル」の英語の抄訳本などをおぼつかない語学の力で拾い読みをしていた。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
ポアンカレ著「科学者と詩人」の訳本を見ていたら、「学者は普通に、徐々にしか真理を征服しないものであります。
— 寺田寅彦 『空想日録』 青空文庫
当時まだ翻訳は無かったように思うが、自分の見たのは英訳の抄訳本でただ物語の筋だけのものであった。
— 寺田寅彦 『読書の今昔』 青空文庫
仏蘭西の作家スタンダールの「赤と黒」の訳本だった。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
その頃都会の智識階級中に行われたスマイルズの自助論の翻訳本で中村敬宇の西国立志編などを田舎で読み、本の中の有名な句の「天は自ら助くるものを助く」という言葉など口癖に言っていた。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
作例 · 標準
その古典小説は多くの言語で訳本が出版されている。
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この訳本を読むと、原書とはまた違った感動がある。
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最近、海外のミステリー小説の訳本を読むのにハマっている。
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