老鶯
ろうおう
名詞
標準
bush warbler singing even after spring has passed
文例 · 用例
谷底に横わる尾根の、翠滴る大竹籔に老鶯が鳴いている。
— 岡本かの子 『呼ばれし乙女』 青空文庫
今日の道はよかつた、山百合、もう女郎花が咲いてゐる、にい/\蝉、老鶯、水音がたえない、佐波川はなつかしかつた。
— 山口 『行乞記』 青空文庫
明くれば早暁、老鶯の声を尋ねて欝叢たる藪林に分け入り、旧日の「我」に帰りて夢幻境中の詩人となり、既往と将来とを思ひめぐらして、神気甚だ爽快なり。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
老鶯に送迎せられ、渓水に耳奪はれ、やがて砧の音と欺かれて、とある一軒の後ろに出づれば、仙界の老田爺が棒打とか呼べることをなすにてありけり。
— 北村透谷 『三日幻境』 青空文庫
情熱のなくなったような冷たいその光が微赤く此方の峰の一角を染めて、どこかで老鶯の声が聞えていた。
— 田中貢太郎 『陳宝祠』 青空文庫
もう五月の新緑があたりをあざやかにして、老鶯の声が竹藪の中に聞こえた。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
四十年も根氣よく啼きつゞけたといふこの老鶯は、わたしの耳に何をさゝやいて呉れるか。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
薊を活ける、老鶯が啼く。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
作例 · 標準
初夏だというのに、裏山から老鶯の鳴き声が聞こえてきて、季節外れの風情を感じさせた。
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「ホーホケキョ」、こんな時期に珍しいな。きっとあれは老鶯だろう。
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俳句の会で、ある参加者が老鶯を季語に使った見事な一句を詠んだ。
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