旧悪
きゅうあく
名詞
標準
past misdeeds
文例 · 用例
叔父はそうした旧悪に対する一種の自白心理を利用して私たちを誤魔化そうと試みているので、友丸伊奈子と私とはその実、タネ違いの兄妹とも、従兄妹同志ともつかぬ異様な間柄になっているのではないか……と疑えば疑い得る筋がないでもない位の事であった。
— 夢野久作 『鉄鎚』 青空文庫
それによると、僕のあの文章は室生君の旧悪をあばいたもので、故意に友人を陥入れ、他人の過去を恥かしめ、以て独り自ら正義を売らうとするものであるさうだ。
— 萩原朔太郎 『常識家の非常識』 青空文庫
河野家の名誉のために、旧悪を知ってる上、お道さんと不都合した、早瀬と云う者を毒殺しようと、娘を一人傷物にしたんじゃないか。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
お歌はその後しばらく姿を見せませんでしたが、その翌年の五月、詰まらない小ゆすりで挙げられて、それからいろいろの旧悪があらわれて遠島になりました。
— 地蔵は踊る 『半七捕物帳』 青空文庫
伯夷叔斉は旧悪を念わず、怨是を用いて希なり。
— ――新曲聊斎志異―― 『竹青』 青空文庫
嗚呼死んで了つたのだ※」 貫一は彼の死の余りに酷く、余りに潔きを見て、不貞の血は既に尽く沃がれ、旧悪の膚は全く洗れて、残れる者は、悔の為に、誠の為に、己の為に捨てたる亡骸の、実に憐みても憐むべく、悲みても猶及ばざる思の、今は唯|極めて切なる有るのみ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
しかしことによると、被害者があの男の現在の秘密か旧悪かを知っているので、どうしても生かしておくわけにゆかない破目になっていたのかも知れませんよ。
— 平林初之輔 『山吹町の殺人』 青空文庫
思わぬところで旧悪がバレましたな。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫
作例 · 標準
「おい、今更あいつの旧悪を掘り返して、一体何が目的だ?」
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政治家としての地位を築いた今、過去の旧悪が彼の足を引っ張ろうとしていた。
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彼は死の間際になって、ずっと隠し通してきた若き日の旧悪を家族に告白した。
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幸せの絶頂にいた彼女のもとに、かつての旧悪を知る人物から不穏な手紙が届いた。
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