父権
ふけん
名詞頻度ランク #39960 · 青空 21 例
標準
paternal rights
文例 · 用例
日本の女の今日の感情の特質は、「夢見る唇」で、ベルクナアが示したような表面の技法で、内実は父権制のもとにある家庭の娘、戸主万能制のもとにある妻、母の、つながれた女の昔ながらの傷心が物を云っているところにある。
— ――世相寸評―― 『日本の秋色』 青空文庫
最近までの日本のように強い封建性の影響の残っている国では、父権は悲劇的な威力をふるって一家を支配した。
— ――結婚のモラル―― 『人間の結婚』 青空文庫
父権につれて尊重され始めた家系というものがその利害や体面のため、同族の女性をどれほど犠牲にして来たかということは、日本の武家時代のあわれな物語の到る所に現れている。
— ――結婚のモラル―― 『人間の結婚』 青空文庫
これらの中世のおそろしい情熱の物語、情熱の悲劇は、当時絶対の父権――天主・父・夫の権力のもとに神に従うと同じように従わなければならなかったスペインやイタリヤの女性たちの胸の中に、もう「人間」が目覚めはじめてきていた証拠である。
— ――結婚のモラル―― 『人間の結婚』 青空文庫
教会と父権とが彼女たちに与えた現世の主である夫に対して、彼女たちは厳しくしつけられていた通りに貞潔の誓を立てながらも、もう唯の雌ではなく人間の女性となってペトラルカの詩も歌うようになっている。
— ――結婚のモラル―― 『人間の結婚』 青空文庫
同時に、今日の世界に生きている読書人にとっては、例えばギリシア人の間で母権から父権への推移が生じた原因を、バッハオーフェンの説明したように、宗教的観念の発達した結果新しい神々が旧いギリシアの神々の間にわり込んで来て勝利したからであると考えることも、亦不可能であろう。
— ――バッハオーフェン『母権論』富野敬照氏訳―― 『先駆的な古典として』 青空文庫
太古のあどけない平等は失われ、財産の主人である男の父権が確立して女子はそれに従属するものとなりはじめた。
— 宮本百合子 『私たちの建設』 青空文庫
たとえば「真夏の夜の夢」が今の日本で上演される価値は、主人公たる二組の恋人たちが、アテネ市の封建的な父権に抗して郊外の森へ逃げ、貴族的な支配者の権力を妥協させて、めでたく結婚するという、意欲と行動との一致した人間性の主張にあると示されている。
— 宮本百合子 『現代の主題』 青空文庫
標準
father's right of control as head of the household