産屋
うぶや
名詞
標準
maternity room
文例 · 用例
この方から逆寄せして、別宅のその産屋へ、守刀を真先に露払いで乗込めさ、と古袴の股立ちを取って、突立上りますのに勢づいて、お産婦を褥のまま、四隅と両方、六人の手で密と舁いて、釣台へ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
産屋も奥御殿という処だ。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
――御殿の閨を覗かれ、あまつさえ、帳の奥のその奥の産屋を――おみずからではあるまいが――お煩い……との事である。
— 泉鏡花 『神鷺之巻』 青空文庫
葬事、まぐはひほがひ、烏羽玉の黒十字架に浄き水はふり散らすも、祝福の枝をかざすも、皆こゝに物は始まり、皆こゝに事は終らむ、産屋洩る初日影より、臨終の燭の火までも、天離る鄙の伏屋も、百敷の大宮内も、紫摩金の栄を尽して、紅に朱に矜り飾るも、鈍色の樫のつくりや、楓の木、杉の床にも。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
葬事、まぐはひほがひ、烏羽玉の黒十字架に、淨き水はふり散らすも、祝福の枝をかざすも、皆こゝに物は始まり、皆こゝに事は終らむ、産屋洩る初日影より、臨終の燭の火までも、天離る鄙の伏屋も、百敷の大宮内も、紫摩金の榮を盡して、紅に朱に矜り飾るも、鈍色の樫のつくりや、楓の木、杉の床にも。
— 上田敏 『海潮音』 青空文庫
今、彼等は坂のつき当りの土産屋の前で芸当をやっていた。
— 宮本百合子 『白い蚊帳』 青空文庫
土産屋の前は自動車を廻せる程度の広場なので足場がいいのだろう。
— 宮本百合子 『白い蚊帳』 青空文庫
土産屋の柱のところに、子供を抱いた男が一人立っていた。
— 宮本百合子 『白い蚊帳』 青空文庫