人絹
じんけん
名詞
標準
rayon
文例 · 用例
」 人絹と間違っているらしいのだ。
— 太宰治 『眉山』 青空文庫
軍刀の紫の袋には、真赤な太い人絹の紐がぐるぐる巻きつけられ、そうして、その紐の端には御ていねいに大きい総などが附けられてある。
— 太宰治 『未帰還の友に』 青空文庫
仙台の町で十四円出して、人絹の大島の古着、帯、シャツ、足袋、下駄など身のまわりのものを買った。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
宿屋の女将にいわせると、所持金ももう乏しくなっていたらしく、身なりもよれよれの銘仙にちょこんと人絹の帯を結んだだけだというし、窃盗が目的でなく、また込み入った情事があったとも思えない。
— 織田作之助 『神経』 青空文庫
仙台の町で十四円出して、人絹の大島の古着帯、シャツ、足袋、下駄など身のまわりのものを買った。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
父の家を逃げ出し、それでも送金してゐるといふ点と正直な所が楢雄の気に入り、また、他の店員のやうにケバケバした身なりもせず、よれよれの人絹を着てゐるのも何か哀れで、高槻の下宿へ遊びに来させてゐたところ、ある夜ありきたりの関係に陥つた。
— 織田作之助 『六白金星』 青空文庫
人絹だと最初は、軽蔑せられた人造絹糸も、今日は天然絹糸と肩を並べて工業界に進出し、天然絹糸と人造絹糸とは、製品としての分野がはっきりわかれ、お互に持ちつもたれつの発展をつづけている。
— 海野十三 『人造物語』 青空文庫
白船居は娘さんが孫を連れて同居してゐられるので、或る宿屋へ案内して泊めて貰ふ、すまなかつた、何もかも人絹のピカ/\するなかで寝る。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫