郷土色
きょうどしょく
名詞
標準
local color
文例 · 用例
塩釜は安産と戦捷の神といわれ、お守りを受けに往くところだが、銀子たちには土地の民謡「はっとせい節」を郷土色そのままに、土地の芸者から受け容れるという目当てもあった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
塩釜|街道に白菊うえて何をきくきくありゃ便りきく 唄はどこも稚拙な洒落だが、言葉の訛や節の郷土色は、名歌手も及ばないところがあった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
西洋人に日本の郷土色を知せるには便利だろうという実業家の心尽しだった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
国民性の純真無垢の児童の心を培ふことが、将来のためにも、又、郷土色を多少でも養ふことがわれわれの努めであります。
— 野口雨情 『朝おき雀』 青空文庫
琉球の郷土色が濃厚に出て居て珍しい集である。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
が、「いがみ」の場合与兵衛や団七のやうに、郷土色に終始するのを理想とするに及ばぬやうである。
— 折口信夫 『実川延若讃』 青空文庫
しかし、日本人の郷土色尊重はかういふ形で常に現れるといふことを私は幾多の例で示すことができる。
— 岸田國士 『北支物情』 青空文庫
(西瀬英一著、東京竹村書房発行)熊野から新宮、串本あたりの南紀州の風物を紹介したもので郷土色の横溢した読物であるが、南国のたそがれ、子供達が竿をもち、口々に蝙蝠ほいと呼びながら飛ぶ蝙蝠を竿で地上へたゝき落す、南国のでう/\たる余韻と愁ひを流した風景を描いて、郷愁を代表する情景のやうにいつてゐた。
— 坂口安吾 『北と南』 青空文庫