暮春
ぼしゅん
名詞
標準
late spring
文例 · 用例
春雨や同車の君がさざめ言筋かひにふとん敷たり宵の春誰が為の低き枕ぞ春の暮春の夜に尊き御所を守る身かな 注意すべきは、これらの句(最後の一句は少し別の情趣であるが)を見ても解る如く、蕪村のエロチック・センチメントが、すべてみな主観の内景する表象であって、現実の恋愛実感でないことである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
新古今集の和歌は、亡び行く公卿階級の悲哀と、その虚無的|厭世感の底で歔欷しているところの、艶に妖しく媚めかしいエロチシズムとを、暮春の空に匂う霞のように、不思議なデカダンスの交響楽で匂わせている。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
暮春に迫る落日の前われら既にこれを見たりいかんぞ人生を展開せざらむ。
— 萩原朔太郎 『氷島』 青空文庫
けふは朝から些つとも風のない日で、暮春の空は碧い玉を磨いたやうに晴れかゞやいてゐた。
— お文の魂 『半七捕物帳』 青空文庫
小暇を得て、修善寺に遊んだ、一――新聞記者は、暮春の雨に、三日ばかり降込められた、宿の出入りも番傘で、ただ垂籠めがちだった本意なさに、日限の帰路を、折から快晴した浦づたい。
— 泉鏡花 『半島一奇抄』 青空文庫
四十一年六月 暮春ひりあ、ひすりあ。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
しゆツ、しゆツ……いま病院の裏庭に、煉瓦のもとに、白楊のしどろもどろの香のかげに、窓の硝子に、まじまじと日向求むる病人は目も悩ましく見ぞ夢む、暮春の空と、もののねと、水と、にほひと。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
四十一年八月 狂へる椿ああ、暮春。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
作例 · 標準
暮春の暖かな日差しの中で、名残惜しそうに散りゆく桜を眺めた。
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季節は暮春へと移ろい、野山には初夏の訪れを告げる若葉が芽吹いている。
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暮春の穏やかな午後、公園のベンチでうたた寝をするのは至福のひとときだ。
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標準
third month of the lunar calendar
作例 · 標準
旧暦三月の暮春は、桃の節句が過ぎて野遊びに最適な季節とされる。
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暮春の雨はしっとりと大地を潤し、農作物の成長を力強く促す。
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万葉集には、暮春の情景を繊細な感性で詠んだ和歌が数多く収められている。
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