温湯
おんとう
名詞
標準
comfortably hot bath
文例 · 用例
頭が割れるように痛むので寝たのだと聞いて磯は別に怒りもせず驚きもせず自分で燈を点け、薬罐が微温湯だから火鉢に炭を足し、水も汲みに行った。
— 国木田独歩 『竹の木戸』 青空文庫
「温湯にいたしましたよ、水が悪うございますから。
— 泉鏡花 『浮舟』 青空文庫
こんな平凡な光景でも、時として私の心に張りつめた堅い厚い氷の上に、一|掬の温湯を注ぐような効果があるように思われる。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
盥の汚れた微温湯は簀の子の上から土に注がれた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
中原中也は書くものより名前の方がずつと詩的だそつと尻をさするやうに人生に触れるせいぜい温湯の中で歌ひ給へ彼にとつて詩とは不快感を宣伝する道具だ。
— 詩集(11)文壇諷刺詩篇 『小熊秀雄全集-12』 青空文庫
不快な冷水を浴びた彼は改めて不快な微温湯を見舞われたのだ。
— 有島武郎 『親子』 青空文庫
噛砕くと不味う御座いますから、微温湯か何かで其儘お嚥みになる様に。
— 石川啄木 『鳥影』 青空文庫
碎くと不味う御座いますから、微温湯か何かで其儘お嚥みになる樣に。
— 石川啄木 『鳥影』 青空文庫