穏当
おんとう
形容動詞名詞
標準
proper
文例 · 用例
何事も、生活感情は同じであります、というならば、少しは穏当である。
— 太宰治 『弱者の糧』 青空文庫
句の修辞から見れば、この解釈の方が穏当であり、無理がないように思われる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
千年の間に二十回とか三十回といえばやはり稀有という形容詞を使っても不穏当とは云えないし、目前にのみ気を使っている政治家や実業家達が忘れていても不思議はないかもしれない。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
少し極端な云い分ではあるが、物理学の方則というものは決して完全には実現し得られない抽象的事実の云い表わしであって、ただ条件を「方則の条件」に近くすればするほど、結果も漸近的にどこまでも「方則の結果」に近よるといった方が却って穏当かもしれない。
— 寺田寅彦 『物理学実験の教授について』 青空文庫
用字法や送仮名なども、大概もとのままにしたので、不穏当なものや不統一な所もある。
— 橋本進吉 『古代国語の音韻に就いて』 青空文庫
しかし、例えば蚯蚓の研究所で鯨の研究をやりたいといったような場合には、ともかくも一応上長官の諒解を得るために、その研究の結果がその研究の目的に直接適合する所以を説明して許可を得るのが穏当である。
— 寺田寅彦 『学問の自由』 青空文庫
いかに観音の寺内でも土地の者がみだりに刑罰を加えるのは穏当でない。
— 鬼娘 『半七捕物帳』 青空文庫
もしもこの考えがいくらか穏当である事を許容するとすれば、そこからいろいろな、消極的ではあるが、だいじな事がらが想定される。
— 寺田寅彦 『比較言語学における統計的研究法の可能性について』 青空文庫