波濤
はとう
名詞
標準
surging sea
文例 · 用例
倶楽部の人々は二郎が南洋航行の真意を知らず、たれ一人知らず、ただ倶楽部員の中にてこれを知る者はわれ一人のみ、人々はみな二郎が産業と二郎が猛気とを知るがゆえに、年若き夢想を波濤に託してしばらく悠々の月日をバナナ実る島に送ることぞと思えり、百トンの帆船は彼がための墓地たるを知らざるなり。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
若し、秀抜な山のたたずまいや、雄渾な波濤の海を眺めやったなら、それを讃嘆する心の興奮に伴って、さすがに埋め尽した積りの珪次との初恋の埋火が、私の心に掻き起されないものでもないような気がしてならなかったのでありました。
— 岡本かの子 『扉の彼方へ』 青空文庫
波濤を蹴りて數百の。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
凡そ波濤の打つところ。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
元より紛議も葛藤も恐るゝ所でない、正理は我にあるのだが、然し※里の波濤を距てたる絶島に於て、既に唯一の確證たる可き日章旗を徹去されたる後は、我に十二|分の道理があつても、一個の證據なく、天下の承認を得る事は餘程困難であらうと思ふ。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
それより、私と武村兵曹とは、艦中の一同から筆にも言にも盡されぬ優待を受けて、印度洋の波濤を蹴つて、コロンボの港へと進んで行く。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
昨夜新嘉坡發、一|片の長文電報は、日本の海軍省に到達した筈であるが、二|隻は去る金曜日をもつて、印度大陸の尖端コモリンの岬を廻り錫崙島の沖をぎ、今は支那海の波濤を蹴つて進航して居るから、よし此後浪高くとも、風荒くとも、二|船が諸君の面前に現はれるのは最早や遠い事ではあるまいと思ふ。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
しかるにその船が南太平洋の波濤にもまれているうち、大暴風にでも遭ったものか、それとも海賊に襲われたものか、まったく行方不明になって、南太平洋の波濤は黙して語らず。
— 押川春浪 『南極の怪事』 青空文庫
作例 · 標準
荒れた海の波濤が、遠くまで轟くような音を立てていた。
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嵐の中、船は波濤にもまれながらも必死に進んだ。
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彼らは未知の波濤を越え、新大陸を目指した。
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