前鼻緒
まえはなお
名詞
標準
sandal or clog strap
文例 · 用例
お齒ぐろ溝の角より曲りて、いつも行くなる細道をたどれば、運わるう大黒やの前まで來し時、さつと吹く風大黒傘の上を抓みて、宙へ引あげるかと疑ふばかり烈しく吹けば、これは成らぬと力足を踏こたゆる途端、さのみに思はざりし前鼻緒のずる/\と※けて、傘よりもこれこそ一の大事に成りぬ。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
お歯ぐろ溝の角より曲りて、いつも行くなる細道をたどれば、運わるう大黒やの前まで来し時、さつと吹く風大黒傘の上を抓みて、宙へ引あげるかと疑ふばかり烈しく吹けば、これは成らぬと力足を踏こたゆる途端、さのみに思はざりし前鼻緒のずるずると抜けて、傘よりもこれこそ一の大事に成りぬ。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
お齒ぐろ溝の角より曲りて、いつも行くなる細道をたどれば、運わるう大黒やの前まで來し時、さつと吹く風大黒傘の上を抓みて、宙へ引あげるかと疑ふばかり烈しく吹けば、これは成らぬと力足を踏こたゆる途端、さのみに思はざりし前鼻緒のずる/\と拔けて、傘よりもこれこそ一の大事に成りぬ。
— 樋口一葉 『たけくらべ』 青空文庫
横土間で誂へを聞くのが、前鼻緒のゆるんだ、ぺたんこ下駄で、蹠の眞黒な小婢とは撰が違ふ。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
丘を上る途中で、今朝買わせたばかりの下駄だのに、ぷすり前鼻緒が切れる。
— 鈴木三重吉 『千鳥』 青空文庫
考えていると、愛吉は何、剃刀で殺すぐらいは、自分が下駄の前鼻緒を切るほどにも思わない。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
重い傘をかたげて、このあいだの寮の前まで来ると、日和下駄の前鼻緒があいにく切れた。
— 春の雪解 『半七捕物帳』 青空文庫
しかもその日和下駄は左の前鼻緒がゆるんでいた。
— ――一游亭に―― 『子供の病気』 青空文庫
作例 · 標準
浴衣に合わせて買った下駄は、前鼻緒が柔らかくて足が痛くならなかった。
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祭りに履いていくため、古くなった下駄の前鼻緒を新しい赤色のものにすげ替えてもらった。
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慣れない雪駄を履いて長時間歩いたせいで、前鼻緒が当たって足の甲が痛む。
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