全波
ぜんぱ
名詞
標準
all-wave (receiver)
文例 · 用例
金文字のはいった扉を押すと、十球の全波受信機がキャッチしたサンフランシスコの放送音楽が、弦楽器の見事なアンサンブルを繊細な一本の曲線に流して、京吉の足は途端に、リズミカルに動き出した。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
徳川時代の民が土下座したとき、その埃のふかい土は素朴で、けっして現代のドライヴ・ウェイをもたず、全波ラジオをもたなかった。
— 宮本百合子 『現代の主題』 青空文庫
)電子のことも水素核のことも分り、光も全波長のものが分ってしまったらもう自然界にはそれ以上かくされたものがなくなってしまうような気になるのが一番いけない。
— 中谷宇吉郎 『先生を囲る話』 青空文庫
田舎の家で、雑音だらけのラジオながら、熱心に九時のニュースをきき、世界の動きが身に伝わる感じでいたら、それにつづいて、局からのお知らせを申上げます、と全波聴取のことが告げられた。
— 宮本百合子 『みのりを豊かに』 青空文庫
日本のラジオが、今日まで国内放送しか聴かれず、全波は禁止されており、それを聴くことは犯罪として見られたということは、諸外国に例のない野蛮な文化に対する抑圧であった。
— 宮本百合子 『みのりを豊かに』 青空文庫
その夜、局からの全波聴取のニュースを伝えたアナウンサアの話しぶりは私がこれ迄どんなニュースでもきかなかったほど、自身の感動に溢れた調子であった。
— 宮本百合子 『みのりを豊かに』 青空文庫
アナウンサアは、全波を禁止していたこれまでの軍事的権力がどんなに封建的なものであったかということ、そのために国民は自分達の生活の実状さえ知らず、更には偽りで組立てた報道で操られて来ざるを得なかった事実を熱のある表現で説明した。
— 宮本百合子 『みのりを豊かに』 青空文庫
今やようよう全波をきくことが出来るようになって、ラジオはラジオとして本来の機能を発揮する時機が来た。
— 宮本百合子 『みのりを豊かに』 青空文庫
作例 · 標準
このポータブルアンテナは全波対応を謳っているだけあって、山奥でも驚くほど綺麗にラジオが入る。
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全波整流回路を組み込むことで、コンセントからの交流電流をより安定した直流電流に変換できるようになった。
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物置から出てきた古い全波受信機を修理して、海外の怪しげな短波放送を聴くのが最近の密かな楽しみだ。
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