孑然
けつぜん
形容詞-たる副詞-と
標準
isolated
文例 · 用例
その暗い処に母とお末とが離れ合つて孑然と坐つて居た。
— 有島武郎 『お末の死』 青空文庫
其火に対って孑然と胡坐を掻いているのは、二十歳ばかりの極めて小作りの男であった。
— 岡本綺堂 『飛騨の怪談』 青空文庫
大内は西方智識の所有者であったから歟、堺の住民が外国と交商して其智識を移し得たからである歟、我邦の城は孑然として町の内、多くは外に在るのを常として、町は何等の防備を有せぬのを例としていたが、堺は町を繞らして濠を有し、町の出入口は厳重な木戸木戸を有し、堺全体が支那の城池のような有様を持っていた。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
と申して、屋敷にたゞ孑然として居つても退屈だから、久振りで一勝負しようかと、この暑いのに出かけてまゐつた。
— 岡本綺堂 『箕輪の心中』 青空文庫
予は孑然たる征旅の客の深山|大沢を恐るるが如く、この梅花を恐れざる可からず。
— 芥川龍之介 『続野人生計事』 青空文庫
予は孑然たる征旅の客の深山大沢を恐るるが如く、この梅花を恐れざる可からず。
— このジャアナリズムの一篇を謹厳なる西川英次郎君に献ず 『梅花に対する感情』 青空文庫
我自ら我身を顧りみれば孑然として小虫の如く、車夫に罵しられ馬丁に叱られ右に避け左にかがまりて、ようやくに志す浅草三間町へたどり着きたり。
— 饗庭篁村 『良夜』 青空文庫
時たま一人|孑然と貸間の二階に寝ることがないでもないが、そういう時には何より先に平素の寝不足を補って置こうという気になる。
— 永井荷風 『つゆのあとさき』 青空文庫
作例 · 標準
彼は家族も友人もなく、この広い世界に孑然として一人だった。
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荒野にポツンと立つ一本の木が、まるで孑然たる存在のようだった。
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新しい環境に飛び込んだ彼女は、最初は孑然たる思いで過ごしていた。
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