余情
よじょう
名詞
標準
suggestiveness (of a poem)
文例 · 用例
そうして単に雪後の春月に対して物思う姿の余情を味わえば足りるであろう。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
「余情」や「面影」を尊び「いわぬところに心をかけ」、「ひえさびたる趣」を愛したのであるが、それらの古人の理想を十二分に実現した最初の人が芭蕉であったのである。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
さび、しおり、おもかげ、余情等種々な符号で現わされたものはすべて対象の表層における識閾よりも以下に潜在する真実の相貌であって、しかも、それは散文的な言葉では言い現わすことができなくてほんとうの純粋の意味での詩によってのみ現わされうるものである。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
幽玄も、余情も、さびも、しおりも、細みもこの弦線の微妙な振動によって発生する音色にほかならないのである。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
この作業仮説に従えば「唐崎の松は花よりおぼろにて」も、松と花との対立融合によって立派に完結しているので、この上に「かな」留めにしては言いおおせ言い過ぎになってなんの余情もなくなり高圧的命令的独断的な命題になるのであろう。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
なお一段と余情のあるのは、日が暮れると、竹の柄の小提灯で、松の中の径を送出すのだそうである。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
即ち語意の含蓄する気分や余情の豊富であって、この点遙かに外国語に優っている。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
あの※々として芸術|三昧に飛揚して没せた親友の、音楽が済み去ったあとで余情だけは残るもののその木地は実は空間であると同じような妙味のある片付き方で終った。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
作例 · 標準
その歌には、深い余情が込められている。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
彼女の描く水墨画は、見る人に豊かな余情を感じさせる。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
日本庭園は、余情を楽しむための空間として設計されている。
幻辭AI · gemini-2.5-flash