黄昏時
たそがれどき
名詞
標準
dusk
文例 · 用例
また、その日の黄昏時、おなじ島の南にあたる尾野間という村の沖に、たくさんの帆をつけた船が、小舟を一隻引きながら、東さしてはしって行くのを、村の人たちが発見し、海岸へ集って罵りさわいだが、漸く沖合いのうすぐらくなるにつれ、帆影は闇の中へ消えた。
— 太宰治 『地球図』 青空文庫
中にも軽く意表の外に姿を閃かすお涌の姿を柳の葉の間から見て、皆三はとても自分と一しょに遊べるような少女とは思えなかった……だが、そういう少女のお涌が持って歩き出したあの黄昏時の蝙蝠が、何故ともなく遮二無二皆三には欲しくて堪らなくなったのだ。
— 岡本かの子 『蝙蝠』 青空文庫
八橋楼の亭主得右衛門は、黄昏時の混雑に紛れ込みたる怪しき婦人を、一室の内に寝ませおき、心を静めさせんため、傍へは人を近附けず。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
それも秋で、土手を通ったのは黄昏時、果てしのない一面の蘆原は、ただ見る水のない雲で、対方は雲のない海である。
— 泉鏡花 『海の使者』 青空文庫
道頓堀川の泥水に川添いの青楼の灯が漸く映る黄昏時のわびしさを頼りなく腹に感じて、ぼんやり橋に凭れかゝっていると、柔く肩をたゝいた者がある。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
中にも軽く意表の外に姿を閃かすお涌の姿を柳の葉の間から見て、皆三はとても自分と一しよに遊べるやうな少女とは思へなかつた……だが、さういふ少女のお涌が持つて歩き出したあの黄昏時の蝙蝠が、何故ともなく遮二無二皆三には欲しくて堪らなくなつたのだ。
— 岡本かの子 『蝙蝠』 青空文庫
其処へ、彫像を負つて入つたんですが、西洋室の扉を開けやうとして、『姉さん、』と仰向くと上から俯向いて見たやうに思ふ、……廊下の長い、黄昏時の扉の際で、むら/\と鬢の毛が、其時は戦いだやうに思ひました。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
合宿所に投じ、未明に起床し、黄昏時に就寝するであらう。
— ――一九三〇年に対する私の希望・抱負・計画―― 『来年は何をするか』 青空文庫
作例 · 標準
黄昏時には、物の怪が現れるという古い言い伝えがある。
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散歩をするなら、空がオレンジ色に染まる黄昏時が一番好きだ。
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学校の帰り道、黄昏時に一人で歩いていると、ふと不安になることがある。
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