気を配る
きをくばる
表現動詞-五段-ラ行
標準
to pay attention
文例 · 用例
昔の日本人は前後左右に気を配る以外にはわずかに鳶に油揚を攫われない用心だけしていればよかったが、昭和七年の東京市民は米露の爆撃機に襲われたときに如何なる処置をとるべきかを真剣に講究しなければならないことになってしまった。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
」 特務曹長に、兵卒の思想についても気を配るように云い含められてきている深山軍曹は、話をほかへ持って行こうとした。
— 黒島傳治 『前哨』 青空文庫
しかしそっちこっち転々してみて、前後左右を見廻した果てに、いくらか人生がわかって来たし、人間の社会的に生きて行くべき方法も頷けるような気がして、持前の圭角が除れ、にわかに足元に気を配るようになり、養子という条件で三村の令嬢と結婚もしたのであったが、内面的な悲劇もまたそこから発生しずにはいなかった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
桂子は花の屑を包んで膝かけを外しながら、いつも病気勝ちな小布施に何かにつけて気を配るせん子をいぢらしいと思つた。
— 岡本かの子 『花は勁し』 青空文庫
昔の日本人は前後左右に気を配る以外にはわずかにとんびに油揚をさらわれない用心だけしていればよかったが、昭和七年の東京市民は米露の爆撃機に襲われたときにいかなる処置をとるべきかを真剣に講究しなければならないことになってしまった。
— 寺田寅彦 『からすうりの花と蛾』 青空文庫
」 紀久子はそれでも、周囲に気を配るようにしながらも低声にそう呼んだ。
— 佐左木俊郎 『恐怖城』 青空文庫
こんな細かいところにも気を配る人でしたの。
— A CASE OF IDENTITY 『同一事件』 青空文庫
おとよはもう待つ人のくる刻限と思うので、しばしば洗濯の手を止めては枝折戸の外へ気を配る。
— 伊藤左千夫 『春の潮』 青空文庫