濃茶
こいちゃ
名詞
標準
koicha
文例 · 用例
濃茶となると一つのお茶碗を三人で飲みまわすのだから、末席に坐っているお前がすっかり後始末の作法をしなければならぬ事になるのだ」 筆者はスゴスゴと頭を下げた。
— 夢野久作 『お茶の湯満腹談』 青空文庫
慰にとのたまふにぞ、苦しき御伽を勤むると思ひつも、石を噛み、砂を嘗むる心地して、珍菜佳肴も味無く、やう/\に伴食すれば、幼君太く興じ給ひ、「何なりとも氣に協ひたるを、飽まで食すべし」と強附け/\、御菓子、濃茶、薄茶、などを籠中所狹きまで給はりつ。
— 泉鏡太郎 『十萬石』 青空文庫
老主人の濃茶の手前があって、私と娘は一つ茶碗を手から手に享けて飲み分った。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
着物のよごれが見えぬように、濃茶の色に染めさせている。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
濃茶の色の、何だかひどく厚ぼったい布地の着物だ。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
「秋」は濃茶の色に二三株のさび赤んだ杉の梢が山のはざまに聳えるところである。
— 木下杢太郎 『本の装釘』 青空文庫
地の色は濃茶である。
— 木下杢太郎 『本の装釘』 青空文庫
乳を混ぜざる濃茶を喜び、水を割らざる精酒を飮み、沈鬱にして敢爲、堅く國立の宗教を持し、深く祖先の業を重んず、工業甚だ盛ならざるが故に中等社界の存するところ多くは粗朴なる農民にして、思ひ狹く志確たり。
— 北村透谷 『罪と罰(内田不知庵譯)』 青空文庫
作例 · 標準
茶道の格式高い茶会で、丹精込めて練られた緑の鮮やかな濃茶を頂いた。
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濃茶を回し飲みする所作には、同席した客同士の連帯感を深めるという意味がある。
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「初めての濃茶はいかがですか? 少々苦いかもしれませんが、香りは格別ですよ」
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