秋雨
あきさめ異読 しゅうう
名詞
標準
autumn rain
文例 · 用例
殺風景な病室の粗末な寝台の上で最期の息を引いた人の面影を忘れたのでもない、秋雨のふる日に焼場へ行った時の佗しい光景を思い起さぬでもないが、今の平一の心持にはそれが丁度覚めたばかりの宵の悪夢のように思われるのである。
— 寺田寅彦 『障子の落書』 青空文庫
夜になって空に星はあったが、電光が白い柱を、谷の中に投げては、夜営の人々をおどろかした、夜半には、秋雨が音なく注いだ、川縁に転がっている流材を焚火にして、寒さを凌いだ、針葉樹の切崖で囲んだ、瓶のように窄い谷底からは、天も谷川ほどの細さで流れている。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
秋雨の山の靜けさ、松の葉から落ちる雨滴が雜木の葉を打つ幽かな音は、却つて山の靜寂を増す。
— 岡本かの子 『秋雨の追憶』 青空文庫
それがそぼふる秋雨ににじんで、更にしっとりとした情趣を帯びていた。
— 寺田寅彦 『札幌まで』 青空文庫
俳句の季題の「おぼろ」「花の雨」「薫風」「初あらし」「秋雨」「村しぐれ」などを外国語に翻訳できるにはできても、これらのものの純日本的感覚は到底翻訳できるはずのものではない。
— 寺田寅彦 『涼味数題』 青空文庫
それからたとえば踊りつつ月の坂道ややふけて はたと断えたる露の玉の緒とでもいったような場面などがいろいろあって、そうして終わりには葬礼のほこりにむせて萩尾花 母なる土に帰る秋雨 これらの映画を見たあとで国産の「マダムと女房」を見た。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
空は薄曇つたまゝで、三日の間はつきりした日の目を見せなかつたから、今日あたりは秋雨のやうなうすら寒い細雨が降るのだらうと彼れは川上から川下にかけてずつと見渡して見た。
— 有島武郎 『幻想』 青空文庫
事の起因を按ずるに、去年秋雨の降くらす、奥の座敷に、女ばかり総勢九人、しかも二組になって御法度の花骨牌。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
作例 · 標準
市場分析によると需要が増加している。
企業の成長戦略は多方面に及ぶ。
経済指標は好調な傾向を示している。
取引先との関係構築が重要である。
ウィキペディア
秋雨(あきさめ)とは、日本において8月後半頃から10月頃にかけて(地域によって時期に差がある)降る長雨のこと。秋の長雨、秋霖(しゅうりん)、薄(すすき)梅雨ともいう。
出典: 秋雨 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0