前垂れ
まえだれ
名詞
標準
apron
文例 · 用例
汚れた帆前垂れは、空樽に投げかけたまゝ一週間ほど放ってあったが、間もなく、杜氏が炊事場の婆さんに洗濯さして自分のものにしてしまった。
— 黒島傳治 『砂糖泥棒』 青空文庫
その儒者風な顔に引較べて、よれよれの角帯に前垂れを掛け、坐った着物の裾から浅黄色の股引を覗かしている。
— 岡本かの子 『家霊』 青空文庫
居合はせたのは、近所から一寸留守番に頼まれたといつた前垂れ掛の年配者で、「お顏を。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
よく見るとけふは、ちやんと仕事着をきて、黒い前垂れをかけてゐます。
— 新美南吉 『かぶと虫』 青空文庫
娘がね、仕切に手を支くと、向直って、抜いた花簪を載せている、涙に濡れた、細り畳んだ手拭を置いた、友染の前垂れの膝を浮かして、ちょっと考えるようにしたっけ。
— 泉鏡花 『南地心中』 青空文庫
「南鍋町の風月堂の二階の洋食といえば、もとはお店の手代衆が前垂れかけで皿を運んで来たもんだが、へえ、そうかねえ、いつからそんなボーイ姿になったのかねえ、あれも旧舗らしくてよかったものだがねえ」 むかしの話も初老前後の男女たちには何かと心慰むよすがになると見えます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
それと見た茶屋の女房が、直ぐに走り上って来て、何かペチャクチャ云い訳をしながら、自分の前垂れを外して、その赤ん坊の尻を拭い上げて、その粘液の全部を前垂れにグシャグシャと包んで上り口から投げ棄てると、そのまま臭気芬々たる右手を頭山満氏の前に差出した。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
緋衣、紅裙、青衣、白衣、緇衣、黄巾、青踏、赤前垂れ、白湯文字等、服粧で職業や階級を呼ぶ事多く、明治十年前後和歌山に奧縞ちう淫賣女が多かつた。
— 並にサンヤレの事 『女順禮』 青空文庫
作例 · 標準
料理をする時は、服が汚れないように可愛い前垂れをつける。
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老舗の酒屋の主人は、屋号が大きく染め抜かれた紺色の前垂れを締めて店先に立っている。
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料理中にソースが跳ねてしまったが、前垂れをしていたおかげで服を汚さずに済んだ。
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ウィキペディア
前垂れ(まえだれ、江戸方言では「まえだら」とも)もしくは帆前掛(ほまえかけ)は、商家にはたらく人や女中などが衣服に汚れがつかないよう、帯から下に掛ける布のこと。単に前掛けと呼ぶこともある。
出典: 前垂れ — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0