香箱
こうばこ
名詞
標準
incense box
文例 · 用例
朝飯の饗応になって一休みした八郎が出発しようとすると、病人は家来の一人に唐渡の香箱と硯を持って来さして、それを八郎の前へ出した。
— 田中貢太郎 『人面瘡物語』 青空文庫
そして、暫くしてお露は、傍にあった香箱を執って、「これは、お母さまから形見にいただいた大事の香箱でございます、これをどうか私だと思って」 と云って、新三郎の前へさしだした。
— 田中貢太郎 『円朝の牡丹燈籠』 青空文庫
それは秋野に虫の象眼の入った見ごとな香箱であった。
— 田中貢太郎 『円朝の牡丹燈籠』 青空文庫
店先の框の日向に香箱を作って居眠りしている姿を私も時々見かける。
— 寺田寅彦 『子猫』 青空文庫
香箱蟹だそうである。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
名の優しい香箱を売る姉さんだが、悪く値切ろうものなら泡のごとく毒を噴く。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
清吉さんがお勤めのお店にはご身代にも替えがたい品で、昔|豊太閤様から拝領しなましたとかいう唐来の香箱なのでござります。
— 達磨を好く遊女 『右門捕物帖』 青空文庫
それも、盗ませるおりに、もし首尾よくその香箱を持ち出してきましたならば、あのときの百両は帳消しにしたうえで、このわちきをももう執念くつけまわすようなことはせぬといいなましたので、つい清さんも気が迷うたのでござりましょう。
— 達磨を好く遊女 『右門捕物帖』 青空文庫
作例 · 標準
祖母の家には美しい漆塗りの香箱があった。
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香箱から取り出したお香を焚くと、部屋に良い香りが満ちた。
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茶道の道具として、香箱は重要な役割を果たす。
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