インク壺
インクつぼ
名詞
標準
inkwell
文例 · 用例
蓋をしない硯箱には、黒と赤とのインク壺が割り込んでゐて、毛筆もペンも鉛筆もごつちやに抛り込んである。
— 森鴎外 『金貨』 青空文庫
その時書物の包とインク壺とをさらって来たのは、我ながら敏捷であったと思った。
— 森鴎外 『ヰタ・セクスアリス』 青空文庫
ガジガジと、インク壺の中へペン先を突き込む音がする、慌しく「ノート」の頁をめくる音がする。
— 牧野信一 『妄想患者』 青空文庫
通りに面した窓の左寄りに書物机があって、その上にはインク壺とペンとがのっている。
— 平林初之輔 『鉄の規律』 青空文庫
保吉はたちまち机に向うと、インク壺へペンを突こむが早いか、試験用紙のフウルス・カップへ一気に弔辞を書きはじめた。
— 芥川龍之介 『文章』 青空文庫
父の机の上にはインク壺・海綿・硯箱・金銭容器・複写紙・ホチキンスなどがきちんと並べてある。
— 原民喜 『昔の店』 青空文庫
大きなのやら小さなのやら、みかげ石のまばゆいばかりに日に反射したのやら、赤みを帯びたインク壺のような形のやら、直八面体の角ばったのやら、ゆがんだ球のようなまるいのやら、立体の数をつくしたような石が、雑然と狭い渓谷の急な斜面に充たされている。
— 芥川龍之介 『槍が岳に登った記』 青空文庫
そしてさつきの新校舍の方へ行く途中、もう早目に授業が終つたと見えて、向うから一塊りになつてぞろぞろやつてくる、てんでにノオトやインク壺などをぶらさげた生徒たちと、私はすれちがつた。
— 堀辰雄 『葉櫻日記』 青空文庫
作例 · 標準
その画家は、パレットに黒い墨汁を入れた小さな深いインク壺を置いていました。
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誤ってインク壺を倒してしまい、羊皮紙に大きな染みを作ってしまいました。
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現代のペンが登場する前は、作家たちはインク壺に羽根ペンを浸して執筆していました。
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彼女は、カリグラフィーの練習に使うために、特製の黒いインク壺を注文しました。
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