牛刀
ぎゅうとう
名詞
標準
chef's knife
文例 · 用例
牛刀のやうな腦刀も備へられた。
— 有島武郎 『實驗室』 青空文庫
われは逍遙子が縱令その量をせばめずとも、少しく用の有無を顧み、利害なき「バクテリヤ」を措いて、蝶になるべき※を取り、再びは世の無頼子に牛刀鷄を割く(文苑)といはれざらむを望む。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
これは少し牛刀鶏を割く嫌がある。
— 森鴎外 『独身』 青空文庫
すなわち東洋回顧を始めて立体と調子と厳格なる写形的技術をもって障子と襖とかたびらの爺さんを描いてみると、釣り鐘で提燈の風情を現す位の牛刀の味を示す。
— 小出楢重 『油絵新技法』 青空文庫
伊藤侯が今囘締結したる日韓協約は、列國の承認せる既成事實を成文に章明したるに過ぎずして、是れ位の措置は侯に在ては寧ろ牛刀割※の感あらむ。
— 鳥谷部春汀 『明治人物月旦(抄)』 青空文庫
伊藤侯が今囘締結したる日韓協約は、列国の承認せる既成事実を成文に章明したるに過ぎずして、是れ位の措置は侯に在ては寧ろ牛刀割※の感あらむ。
— 鳥谷部春汀 『明治人物月旦(抄)』 青空文庫
故に老巧な治部太夫は、必殺の構えをつけた、鶏を割くに牛刀をつかう恨みを、心のうちに感じながらも、着実に進退した。
— 長谷川伸 『討たせてやらぬ敵討』 青空文庫
そういうふうの国柄であるのでありますからそこ、にヨーロッパの人たちがいくら親切をもって臨んでいっても、この理想の根本が違うのでありますから、牛刀を携えてそうして毎日牛を殺してそれを食物としているというふうではどうしてもインドの国を治めることができない、それはあたりまえであります。
— 高楠順次郎 『東洋文化史における仏教の地位』 青空文庫