嫌われ者
きらわれもの
名詞
標準
hated person
文例 · 用例
そうして村一番のオシャベリで、嫌われ者のお吉という婆さんが雇われて、留守番をする事になった。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
二十年前に、嫁に行くなら文学士か理学士に限ると高等女学校の生徒の前で演説して問題を惹起した人があるが、文人と新聞記者とは今日では嫁に呉れての無い嫌われ者の随一である。
— 内田魯庵 『駆逐されんとする文人』 青空文庫
が、諸藩の勤番の田舎侍やお江戸見物の杢十田五作の買妓にはこの江戸情調が欠けていたので、芝居や人情本ではこういう田五作や田舎侍は無粋な執深の嫌われ者となっている。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
この連隊は幹部を東北の各連隊の嫌われ者を集めて新設されたのであったが、それが一致団結して訓練第一主義に徹底したのである。
— 石原莞爾 『戦争史大観』 青空文庫
嫌われ者の耕吉の依頼をも、芳本ならば彼のいわゆる美しい高慢から、卒気なく断るようなこともあるまいと、耕吉は考えたのであった。
— 葛西善蔵 『贋物』 青空文庫
おりんは土地での嫌われ者、庄造はあの通りでさっぱり信用がなかったから、諸払いの滞りなどもやかましく催促されたものだが、彼女への同情があったればこそ節季が越せて行ったのではないか。
— 谷崎潤一郎 『猫と庄造と二人のおんな』 青空文庫
金があるに任せて大通気取りで荒し廻るのですから、内緒の人気は大したものでも、妓どもからはこの上もない嫌われ者で、中には捨てられて入水した者、気の違ったもの、行方知れずになったものもあるということです。
— 金の鯉 『銭形平次捕物控』 青空文庫
御家人の竹といってちょっと好い男、但し、元は武家の出だというせいか、妙に人付きのよくない、飯田町中の嫌われ者でした。
— 血潮の浴槽 『銭形平次捕物控』 青空文庫