卑湿
ひしつ
形容動詞名詞
標準
low and damp (land)
文例 · 用例
この辺りは荒川西より東に流れて、北の岸は卑湿の地なるまゝいと荒れたれば、自然の趣きありて、初夏の新蘆栄ゆる頃、晩秋の風の音に力入りて聞ゆる折などは、川面の眺めいとをかしく、花紅葉のほかの好き風情あり。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
かつ浅草区一帯の地の卑湿にして燥きがたきも、この一水路によりて間接に乾燥せしめらるゝこと幾許なるを知らざれば、浅草区に取りては感謝すべき水路なりといふべし。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
元来下谷は卑湿の地にして、西に湯島本郷の高地を負ふをもて、一朝雨雪の大に降るに会へば高処の水は自ら低処に来りて、下谷は一大|瀦水地となるの観を呈す。
— 幸田露伴 『水の東京』 青空文庫
高野街道、奈良街道の要地にして、地勢卑湿、水田沼地多く畷道四通する所だ。
— 菊池寛 『大阪夏之陣』 青空文庫
伝染性の熱病を発する空気が多い卑湿地に入って病を得たり、ジメジメした土地に遊んで瘧を得たり、水辺に長居してリュウマチを得たりするようなことは、公務であれば是非も無いが、そうで無ければ自分で招いたと云われても仕方ない。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
そこらあたりは利根川の河床よりも低い卑湿地で、小さい沼が一面にあった。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
且つ浅草区一帯の地の卑湿にして燥き難きも、此の一水路によりて間接に乾燥せしめらるること幾許なるを知らざれば、浅草区に取りては感謝すべき水路なりといふべし」とあるところである。
— 斎藤茂吉 『三筋町界隈』 青空文庫
また竈に蛭這い蛇寝床に潜る水国卑湿の地に住まねばならぬとなったら如何であろう。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
作例 · 標準
この辺りは卑湿な土地なので、家を建てる前に十分な排水対策が必要だ。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
卑湿な場所には湿気を好む植物が生い茂り、独特の生態系を作っている。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview
霧が立ち込める卑湿な森を歩いていると、少し不気味な感じがする。
幻辭AI · gemini-3-flash-preview