快哉
かいさい
名詞
標準
joy
文例 · 用例
案を拍って快哉を叫ぶというのは、まさに求めるものを、その求める瞬間に面前に拉しきたるからこそである。
— 寺田寅彦 『科学と文学』 青空文庫
ひと一人を殺したあとらしくもなく、彼等の態度があまりにのんきすぎると忿懣を感じてゐたらしい諸君は、ここにいたつてはじめて快哉を叫ぶだらう。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
木の根岩角に手をかけ、足を踏みしめて、ようよう飛沫雨のごとき中に下り立ちて、巨巌の上へ登り、海内無双の大瀑布、華厳の雄姿を眺めた時には思わず快哉三呼。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
白煙|濛々と立昇る地獄穴|溶岩を覗いて、未醒画伯と髯将軍、快哉を叫んで躍り上がったところが、忽ち麓から吹き上ぐる濃霧に包囲されて、危うく足踏み外し白煙中へ捲き込まれんとし、二人、一生懸命|巌に獅噛み付いて、ようよう命を陥さずに済んだそうである。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
』轟大尉は双手を擧げて快哉を叫んだ。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
私はそのとき以来、兄たちが夏休み毎に東京から持って来るさまざまの文学雑誌の中から、井伏さんの作品を捜し出して、読み、その度毎に、実に、快哉を叫んだ。
— 太宰治 『『井伏鱒二選集』後記』 青空文庫
荘先生がそなたの我儘を見に来たと云われたのは却ってそなたののびのびして生きて居られる様子を快哉に感じられ「道」を極める荘先生に好い影響さえお与え申したのだ。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
私はジンメルの日記に「人は退屈か軽佻か二つのうちの一方に陥ることなくして、一方を避けることは出来ない」という言葉を見つけた時、これあるかなと快哉を叫んだくらいだから、軽佻を攻撃する気は毛頭持ち合わせていない。
— 織田作之助 『神経』 青空文庫