燻し
いぶし
名詞名詞-の形容詞
標準
smoking (of meat)
文例 · 用例
斎藤|豊作氏の「落葉する野辺」など昔見たときは随分けばけばしい生ま生ましいもののような気がしたのに、今日見ると、時の燻しがかかったのか、それとも近頃の絵の強烈な生ま生ましさに馴れたせいか、むしろ非常に落着いたいい気持のするのは妙なものである。
— 寺田寅彦 『二科展院展急行瞥見記』 青空文庫
そのなかには肌脱ぎになった人がいたり、柱時計が鳴っていたり、味気ない生活が蚊遣りを燻したりしていた。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
) 婦人は炉縁に行燈を引附け、俯向いて鍋の下を燻していたが、振仰ぎ、鉄の火箸を持った手を膝に置いて、(ご苦労でござんす。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
とそれならぬ、姉様が、山賊の手に松葉燻しの、乱るる、揺めく、黒髪までが目前にちらつく。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
蚊燻しは焚かぬもの。
— 太宰治 『葉』 青空文庫
東の空から明け初めて、寝呆けたような鴉の声と五位鷺の声とが宮の森のあたりからかすかに聞えて来ましたが、静寂な天地はたちまちそれを吸い取って、まだ闇の気配の残る、燻しをかけた銀世界にはなおも霏々として雪は降り続くのでした。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
渋色の逞しき手に、赤錆ついた大出刃を不器用に引握って、裸体の婦の胴中を切放して燻したような、赤肉と黒の皮と、ずたずたに、血筋を縢った中に、骨の薄く見える、やがて一抱もあろう……頭と尾ごと、丸漬にした膃肭臍を三頭。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
近所に、癩病医者だと人はいうが、漢方医のある、その隣家の荒物屋で駄菓子、油、蚊遣香までも商っている婆さんが来て、瓦鉢の欠けた中へ、杉の枯葉を突込んで燻しながら、庭先に屈んでいるが、これはまたお雪というと、孫も子も一所にして、乳で育てたもののように可愛くてならないので。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
作例 · 標準
燻しの香りが食欲をそそるチーズが、ワインによく合う。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
この店の燻し料理は、素材の旨みが凝縮されていて絶品だ。
幻辭AI · gemini-2.5-flash
キャンプでは、自分たちで肉の燻しを体験するのが恒例となっている。
幻辭AI · gemini-2.5-flash