偽装
ぎそう
名詞動詞-サ変動詞-他動詞頻度ランク #6540 · 青空 135 例
標準
camouflage
文例 · 用例
「子供等よ、騒ぐでないぞ、森の菌霊が臼搗くときぞ」 むす子は、おかしさが口の端から洩れるのをそのまま、子供等に対する家長らしい厳しい作り声をあっさり唇に偽装して、相手の群に発音し終ると、くるりと元の方向に踏み直って歩き出した。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
わたくしが話す乞食の生活の経験、啓司が話す勉強生活の齟齬の経験、何の種類にしろ女が一たんおのれの偽装を剥がれたと思う男には、もはや心置きなく又、逃さじと心を相手に身を捨てゝ心を通わして行くものであります。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
無常彼に迫りて、無常の実を示し、離苦彼を囲みて、離苦の実を表はし、恋愛その偽装を脱して、恋愛の実を顕はし、痴情その実躰を現じ、大悪その真状を露はし、彼をして棘然として顛倒せしめ、然る後に彼をして始めて己れの存立の実なると天地万有の実なるとを覚知せしめたり。
— 北村透谷 『心機妙変を論ず』 青空文庫
王莽の偽装に騙されるのも智が足りないからである。
— 幸田露伴 『悦楽(現代訳)』 青空文庫
術士メルリン城よりもまず女を落すべく王に教え、王ゴーロアの偽装で入城してイゲルナを欺き会いて、その夜アーサー孕まる。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
文学の精神は自主性を失って文学の外の力に己を託した日以来、下へ下へと坂を転り、その転る運動を文学の時代的反応の当然の動きであるかのように偽装しながら、この年に入っては、遂に文学性などというものに煩わされる心情を蹴り捨てた一種の作品が流行した。
— 宮本百合子 『昭和の十四年間』 青空文庫
それで暫らくの間に他の役人連が、いかにも尤もらしい偽装と巧みな操縦によって彼をまんまと丸めこんでしまったため、間もなくこの将軍は以前のより一層ひどい悪党どもの傀儡に化してしまった。
— または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊 『死せる魂』 青空文庫
なお前記三項を偽装し、又は仮装した事は、この事件の真相を記憶している或る一部の人々の不快とするところかも知れないが、そのそうしなければならなかった理由は、読了後に、自ら首肯され得るであろう。
— 夢野久作 『S岬西洋婦人絞殺事件』 青空文庫
標準
pretense