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自責の念

じせきのねん
表現
1
標準
guilty conscience
文例 · 用例
ある時は、その殺したという罪で、自責の念にかられ、ある時はそのことを昂然と口にすることで少年らしい虚栄心を満足させて来た――いわば、今日一日とにもかくにも豹吉の心を支配して来たその男――死んだ筈のその男が、豹吉の眼の前に坐っているのだ。
織田作之助 夜光虫 青空文庫
こんな時、信吉はおろおろと、自責の念に足をすくわれて、落ちつかない。
織田作之助 夜の構図 青空文庫
しかも結局、二人の男の一生を自分故に台なしにしてしまった自責の念と果無さとに堪えかねて、せめてもの罪滅しにと、偽の遺書を遺して死んだのである。
渡辺温 遺書に就て 青空文庫
到頭その友達は可哀相なことにも、自責の念に堪えかねて、或る夜のことどこかへ逃亡してそれっきり行方も判らなくなってしまったような始末です。
渡辺温 青空文庫
今迄彼は、親に対して所謂不孝な観察を起す場合には、いくらか自責の念にも駆られたが、今では伸々と手足を延して、般若の心で笑つてゐられる気がされた。
牧野信一 「悪」の同意語 青空文庫
「うちの阿母が齢のせゐで按摩が欲しいんだつて……」 別にそんなことが手紙に書いてあるわけではなかつたのだが、私はおもはぬときにお蕗なりと赴かせて多少でも自責の念から救はれたかつたのである。
牧野信一 剥製 青空文庫
恐ろしいことではないか、自分の此から書こうとする黄銅時代は、更に甦り、強められた自責の念と、謙譲な虚心とによって書かれなければならないのだ。
宮本百合子 日記・書簡 青空文庫
さぞかしロータスが熱狂して戻つて来るだらう、そしたら自分も一処になつて騒いでやらう、そして烏頂天になつたら、何かしら、誰かを欺したかのやうな変な自責の念が消えるだらう――と思ひながら私は百合の父さんを待ち構えてゐると、間もなく彼は、ムツとした顔をして帰つて来た。
牧野信一 競馬の日 青空文庫
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