通俗小説
つうぞくしょうせつ
名詞
標準
popular novel
文例 · 用例
寧ろ通俗小説の方が、その点では小説(つまり純文学作品の)よりも進んでゐると考へられる。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
勿論私は茲で多く読まれる少なく読まれるの問題には関係なく、小説と、通俗小説との、通念としての確立振りを問題にしてゐるのである。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
それといふも恐らく通俗小説の方がより豊富な伝統を持つてゐたといふか、それとも通俗小説の方が小説よりも一層に容易に伝統から得をすることが出来たといふかそのどつちかであると思ふ。
— 中原中也 『詩と其の伝統』 青空文庫
しかし、出てくる軍人も戦争の状景も、通俗小説のそれで、ひどく真実味に乏しい。
— 黒島傳治 『明治の戦争文学』 青空文庫
このごろ、ずいぶん努力して通俗小説を書いている。
— 太宰治 『八十八夜』 青空文庫
これは通俗小説でなからうか。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
題を決めるのに一日、構想を考えるのに一日、たのまれてから書き出すまでに二日しか費さなかったぐらいだから、安易な態度ではじめたのだが、八九回書き出してから、文化部長から、通俗小説に持って行こうとする調子が見えるのはいかん、調子を下すなと言われたので、決然として、この作品に全精力を打ちこむ覚悟をきめた。
— 織田作之助 『文学的饒舌』 青空文庫
文化部長の注意がなければ僕は通俗小説を書いてしまったかも知れない。
— 織田作之助 『文学的饒舌』 青空文庫