茂り
しげり
名詞
標準
growing thick
文例 · 用例
山吹や井手を流るる鉋屑 崖下の岸に沿うて、山吹が茂り咲いている。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
夏祭の日には、家々の軒に、あやめや、菖蒲や、百合などの草花を挿して置くので、それが雨に濡れて茂り、町中が忽ち青々たる草原のようになってしまう。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
三径の十歩に尽きて蓼の花 十歩に足らぬ庭先の小園ながら、小径には秋草が生え茂り、籬に近く隅々には、白い蓼の花が侘しく咲いてる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
毎年夏始めに、程近い植物園からこのわたりへかけ、一体の若葉の梢が茂り黒み、情ない空風が遠い街の塵を揚げて森の香の清い此処らまでも吹き込んで来る頃になると、定まったように脳の工合が悪くなる。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
片側の大名邸の高い土堤の上に茂り重なる萩青芒の上から、芭蕉の広葉が大わらわに道へ差し出て、街燈の下まで垂れ下がり、風の夜は大きな黒い影が道一杯にゆれる。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
かなりに長いこの阪の凸凹道にただ一つの燈火とそのまわりの茂りのさまは、たださえ一種の強い印象を与えるのであるが、一層自分の心を引いたのはその街燈に止った一疋の小さいやもりであった。
— 寺田寅彦 『やもり物語』 青空文庫
隙間もない茂りの緑は霜にややさびて得も云われぬ色彩が梢から梢へと柔らかに移り変っている。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
杉の大木の下に床几を積み上げたるに落葉やゝ積りて鳥の糞の白き下には小笹生い茂りて土すべりがちなるなど雑鬧の中に幽趣なるはこの公園の特徴なるべし。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
作例 · 標準
梅雨時の雨をたっぷりと吸い込み、庭の木の葉の茂りが一層増してきた。
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生い茂る草むらの中で、秋の虫たちが競い合うように鳴き声を響かせている。
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茂りが激しくなって見通しが悪くなった街路樹を、職人が丁寧に剪定していく。
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