唸り出す
うなりだす
動詞-五段-サ行
標準
to let out a roar (hum, groan, moan)
文例 · 用例
『あるとも、一昨日なんか骨膜炎の手術を受けた老人がね、義太夫を唸り出す騷ぎだつたよ‥‥‥』と、水島は相變らず冷靜な顏附で云つた。
— 南部修太郎 『疑惑』 青空文庫
泰助は一人残りて、死人の呼吸を吹返さんとする間際には、秘密を唸り出す事もやあらんと待構うれば、医師の見込みは過たず、ややありて死骸は少しずつの呼吸を始め、やがて幽に眼を開き、糸よりもなお声細く、「ああ、これが現世の見納かなあ。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
点点としているが、竹ごまのように、一たび糸を巻いて打っ放せば、ウアーンと唸り出すような力だ。
— 織田作之助 『大阪の憂鬱』 青空文庫
とヒラリと素裸になって、寝衣に着かえてしまって、 やぼならこうした うきめはせまじ、と無間の鐘のめりやすを、どこで聞きかじってか中音に唸り出す。
— 幸田露伴 『貧乏』 青空文庫
縁側でも呻唸り出す――数百の虫が一斉に離座敷を引包んだようでしょう、……これで、どさりと音でもすると、天井から血みどろの片腕が落ちるか、ひしゃげた胴腹が、畳の合目から溢出そう。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
」 彼は折々突然に開き直って、いとも鹿爪らしく唸り出すと大業な見得を切って斜めの虚空を睨め尽したが、おそらくその様子は誰の眼にも空々しく「法螺忠」と映るに違いないのだ。
— 牧野信一 『鬼涙村』 青空文庫
」などと唸り出すと、洋盃をつまんで眼を据てゐるBが、それでもAの読経が耳に入つたのか、生真面目な顔で空々しい声をあげて続けるのであつた。
— 牧野信一 『くもり日つゞき』 青空文庫
銅鑼は急に腹が減つたやうな声をして唸り出す。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
作例 · 標準
例句