屈従
くつじゅう
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
servile submission
文例 · 用例
されど剛愎我慢なるその性として今かく虜の辱を受け、賤婦の虐迫に屈従して城下の盟いを潔しとせず、断然華族の位置を守りてお丹の要求を却けたるなり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
余が進んで文部省に取消を求めざる限り、また文部省が余に意志の屈従を強いざる限りは、この問題はこれより以上に纏まるはずがない。
— 夏目漱石 『博士問題の成行』 青空文庫
なかに旧劇場で案内係をして居た一人の娘の親が英人の娘として米人の使用人に変ることは英国の不節操であると同時に米国への屈従であると云って断然許さなかった。
— 岡本かの子 『バットクラス』 青空文庫
然るに彼等は呱々の声の中より既にこの霊性を喪へるを自識せざる可らざる運命に抱かれてありたり、自然なる願欲は抑へて、不自然なる屈従を学ばざる可らざるタイムの籠に投げられてありたり。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
明治文学をして再び元禄文学の如くに、遊廓内の理想に屈従せしむるの恥辱を受けしめんとするを悲しまざるを得ず。
— 北村透谷 『「伽羅枕」及び「新葉末集」』 青空文庫
平生妻子に対しては、tyran のような振舞をしているので、妻からは或るときは反抗を以て、或るときは屈従を以て遇せられている末造は、女中の立った跡で、恥かしさに赤くした顔に、つつましやかな微笑を湛えて酌をするお玉を見て、これまで覚えたことのない淡い、地味な歓楽を覚えた。
— 森鴎外 『雁』 青空文庫
二葉亭は本来|狷介不覊なる性質として迎合屈従を一要件とする俗吏を甘んじていられないのが当然であって、八年の長い間を官報局吏として辛抱していたのは、上に自由なる高橋健三を戴いて、恩師古川の下に吏務に服していたからであった。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
青木の目は、それに対して反抗に輝きながら、しかも不思議に屈従と憐憫を乞うような色を混じえていた。
— 菊池寛 『青木の出京』 青空文庫
作例 · 標準
権力者への屈従を強いられ、彼は尊厳を失った。
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