悲愴
ひそう
形容動詞名詞頻度ランク #41917 · 青空 155 例
標準
pathetic
文例 · 用例
でまあ、このやうに悲愴げに読むところで、まあ俺らしい勉強なんだ。
— ――不真面目なわが心…… 『その一週間』 青空文庫
二三軒隣では、人品骨柄、天晴、黒縮緬の羽織でも着せたいのが、悲愴なる声を揚げて、殆ど歎願に及ぶ。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
こうして、鶴さんとオトラ婆さんの隣同士のややこしい別居生活が始まって間もなく、サイパン島の悲愴なニュースが伝えられた。
— 織田作之助 『電報』 青空文庫
酔いが進むに連れて、ひとりで悲愴がって、この会合全体を否定してみたり、きざに異端を誇示しようと企んだり、或いは思い直して、いやいやここに列席している人たちは、みな一廉の人物なのだ、優しく謙虚な芸術家なのだ、誠実に、苦労して生きて来た人たちばかりだ。
— 太宰治 『善蔵を思う』 青空文庫
梅の花、常夏の花などにつけて、定基の母の歌をおこしたのに右衛門の返ししたのもあり、又右衛門の家に定基の母が宿って、夜ふかき月をながむるに虫の声のみして人皆寝しずまりたるに、「雲ゐにてながむるだにもあるものを袖にやどれる月を見るらむ」と老女の悲愴の感をのべたのがある。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
此の間、彼が作戦奏上の為め、吉野に参廷したあたりは、正に『太平記』中の圧巻であって、筆者は同情的な美しい筆を自由に振って、悲愴を極めた光景を叙述している。
— 菊池寛 『四条畷の戦』 青空文庫
それから『西域記』に王子投身の処の南百四、五十歩に石|王子餓獣の力なきを愍み行きてこの地に至り乾ける竹で自ら刺し血を以てこれに啖わす、ここにおいてか獣すなわち啖うその中地土および諸草木|微しく絳色を帯び血染のごとし、人その地を履む者|芒刺を負う、疑うと信ずるとをいうなく、悲愴せざるはなしと出づ。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
犬は驚いてひいひいと悲愴な声を立てた。
— 長塚節 『太十と其犬』 青空文庫
作例 · 標準
ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」の旋律が、静かなホールに深く響き渡った。
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すべてを失った男の悲愴な叫びが、夜の住宅街に虚しくこだました。
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彼女の表情には、隠しきれない悲愴の色が浮かんでおり、誰も声をかけられなかった。
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