下唇
したくちびる異読 かしん
名詞
標準
lower lip
文例 · 用例
私の恋の相手はまばたきもせず小さい下唇だけをきゅっと左へうごかして見せた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
なによりも、怪談がいちばん僕の空想力を刺激するようです」「こんな怪談はどうだ」馬場は下唇をちろと舐めた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
……でも、彼女は、今にこにこして、下唇に涎をいつぱい溜めて、走つたのでハアハア云つてゐた。
— 中原中也 『良子』 青空文庫
」母が下唇を垂らすやうに言ふ。
— 中原中也 『耕二のこと』 青空文庫
何という罪のない絵だろうとしばらく眺めていたが、名状の出来ぬ暗愁が胸にこみあげて来て、外套のかくしに入れたままの拳を握りしめて強く下唇をかんだ。
— 寺田寅彦 『障子の落書』 青空文庫
その朝、父は私にも一緒に行くようにすすめて下さったのですが、私は何だか、こわくて、下唇がぷるぷる震えて、とてもお伺いする元気が出なかったのです。
— 太宰治 『千代女』 青空文庫
」小菅は薄い下唇を前へ突きだした。
— 太宰治 『道化の華』 青空文庫
それはとにかく、その当時夏目先生と何かと世間話していたとき、このS先生の噂をしたら先生は「アー、Sかー」と云ってそうして口を大きく四角にあけて舌の先で下唇を嘗め廻した。
— 寺田寅彦 『埋もれた漱石伝記資料』 青空文庫
作例 · 標準
彼女は緊張すると、無意識に下唇を噛む癖がある。
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赤ん坊は、お腹が空くと下唇を突き出して泣き始めた。
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彼は不満そうに下唇を尖らせた。
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