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北向き

きたむき
名詞
1
標準
facing north
文例 · 用例
しかもその花は、一つのこずえの尖端に、十数個から二十ぐらい、鈴生りに群って、波頭のせり上るように、噴水のたぎるように、おどっているところは、一個|大湊合の自然の花束とも見られよう、その花盛りの中に、どうかすると、北向きに固く結んだつぼみが見える。
小島烏水 不尽の高根 青空文庫
首のない大きなライオンが北向きに坐っているような姿をしている。
寺田寅彦 札幌まで 青空文庫
で、……形の如き禿頭が、蚊帳に北向きにでも寢て居ると、分けて其は平屋であるため、二人は丁度夢枕に立つて、高い所で、雲の中に言を交はして居るやうな形に成るから。
泉鏡太郎 淺茅生 青空文庫
両隣りとソックリの貸事務所になっている北向きの二間半|間口で、表に「H株式取引所員……※善……児島良平……電話四四〇三番」と彫り込んだ緑青だらけの真鍮看板を掛けて、入口の硝子扉にも同じ文句を剥げチョロケた金箔で貼り出していた。
夢野久作 鉄鎚 青空文庫
そこは一方が押入れになっている天井の低い八畳位の北向きの室で、取引所前の往来を見下した高さ四尺位の横一文字の一方窓に、真赤に錆びた鉄の棒と磨硝子の障子が並んでいたが、そこからさし込む往来の照り返しで、室の中は息苦しい程蒸し暑かった。
夢野久作 鉄鎚 青空文庫
次の書斎を抜けるとまた北向きの縁で、その突当りに、便所があるのだが、夫人が寝たから、大廻りに玄関へ出て、鞠子の婢の寝た裙を通って、板戸を開けて、台所の片隅の扉から出て、小用を達して、手を洗って、手拭を持つと、夫人が湯で使ったのを掛けたらしい、冷く手に触って、ほんのり白粉の香がする。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
途中、左手に北向き八幡宮があった。
織田作之助 道なき道 青空文庫
寿子はそう思って、北向き八幡宮の前まで来ると、境内の方へ外れようとしたが、庄之助はだまって寿子の手をひっぱると、さっさと生国魂神社の石段の方へ連れて行った。
織田作之助 道なき道 青空文庫
作例 · 標準
「この部屋、北向きだから昼間でも少し暗いけど、夏は涼しくて過ごしやすいんだよ。」
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北向きの窓は直射日光が入らないため、絵画や古本を飾るには最適な環境と言える。
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冬場の北向きの部屋は底冷えがするので、厚手のカーテンを引いて防寒対策を徹底する。
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