善性
ぜんせい
名詞
標準
innate goodness of man
文例 · 用例
これらの失敗の原因が何であるか、それを確言することは困難であるが、辛じて私に言へることは、世界が忘念の善性を失つたといふこと、つまり快活の徳を忘れたといふことである。
— 中原中也 『生と歌』 青空文庫
熊楠バッジ等エジプト学者の書を按ずるに、古エジプト人も古支那と同じく、竜蛇を兇物とばかり見ず善性瑞相ありとした例も多く、神や王者が自分を蛇に比べて、讃頌したのもある。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
かかる竜の像は追々その本旨を忘れ、古ギリシアの善性竜王同様、土地の守護神ごときものに還原され了ったとは、わが邦諸社の祭礼に練り出す八岐大蛇が本人間の兇敵と記憶されず、災疫を禳い除くと信ぜらるるに同じ。
— 田原藤太竜宮入りの話 『十二支考』 青空文庫
惟うに馬頭観音が明王観音両部に属し、あるいは温和あるいは大忿怒形を現わすは、半ばは馬が人を助くる善性、半ばはこれら馬鬼の悪性を取って建立された半菩薩半鬼王だからだろう。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
青野季吉氏は「紋章」にすっかり「圧迫され」横光氏の「自由の精華」に讚辞を惜しまれなかったのであるが、横光氏のこの「高邁」の発明も、その傍観性、非動性、負かされづめで結局勝ったのだという主観的な独善性等に引き下げられて、本質には春山行夫氏が評した次の言葉がふさわしい種類の身ぶりであった。
— 宮本百合子 『今日の文学の展望』 青空文庫
(十三) 善惡の否定 性善性惡の爭論はもう古臭くなつてしまつた。
— 岩野泡鳴 『神秘的半獸主義』 青空文庫
人格という意味をかかる共同人間の意味に解するならば、人格主義はその独善性から公共に引き出され、社会活動がその内面性の堕落かの如き懸念から、解放されて社会的風貌を帯びて行くであろう。
— ――教養と倫理学―― 『学生と教養』 青空文庫
人間の性善と性悪との対立によって、その善性だけを人間の道徳と見做すということは、事実甚だ通用性を有った常識であることを注目せねばならぬ。
— 戸坂潤 『道徳の観念』 青空文庫
作例 · 標準
どんな悪人であっても、心の奥底にはわずかな善性が残っているはずだ。
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彼は人間の善性を信じ、困っている人には必ず手を差し伸べる。
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法律は人の悪を裁くものだが、教育は人の善性を育むものだ。
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