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懐炉

かいろ異読 カイロ
名詞
1
標準
pocket heater
文例 · 用例
例えば短時間の強い光源としてのアンダーソンの針金の電気爆発を使う代りに水銀のフィラメントの爆発を使ったり、また電扇の研究と聯関して気流の模様を写真するために懐炉灰の火の子を飛ばせるといったようなことも試みた。
寺田寅彦 工学博士末広恭二君 青空文庫
そのまま、茄子の挫げたような、褪せたが、紫色の小さな懐炉を取って、黙って衝と技師の胸に差出したのである。
泉鏡花 露肆 青空文庫
婦もちょいと振向いて、(大道|商人は、いずれも、電車を背後にしている)蓬莱を額に飾った、その石のような姿を見たが、衝と向をかえて、そこへ出した懐炉に手を触って、上手に、片手でカチンと開けて、熟と俯向いて、灰を吹きつつ、「無駄だねえ。
泉鏡花 露肆 青空文庫
「お爺様、さ、そして、懐炉をお入れなさいまし、懐中に私が暖めて参りました。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
世に不思議な、この二人の、毛布にひしと寄添ったを、あの青い石の狐が、顔をぐるりと向けて、鼻で覗いた……「これは……」 老人は懐炉を取って頂く時、お町が襟を開くのに搦んで落ちた、折本らしいものを見た。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
そして丸髷の震動が次第に細かく刻むようになると同時に、どの子供にも十分の食料を供給した、大きい乳房が、懐炉を抱いたように水落の辺に押し附けられるのを末造は感じながら、「誰が言ったのだ」と繰り返した。
森鴎外 青空文庫
別に案ずるまでもない、同町の軒並び二町ばかり洲崎の方へ寄った角に、浅草紙、束藁、懐炉灰、蚊遣香などの荒物、烟草も封印なしの一銭五厘二銭玉、ぱいれっと、ひーろーぐらいな処を商う店がある、真中が抜裏の路地になって合角に格子戸|造の仕舞家が一軒。
泉鏡花 葛飾砂子 青空文庫
三十才にもならないのに懐炉を借りたがるほど、生気の乏しくなっている人なども随分今日では多い。
幸田露伴 努力論(現代訳) 青空文庫