僅かに
わずかに
副詞
標準
slightly
文例 · 用例
何故ならば、芸術の存在理由は芸術自身の裡にあること、恰も塩ッからいものが塩ッからく、砂糖が、甘いが如きものであり、恍惚は恍惚であれ、恍惚は直接|他に伝達出来るものではなく、恍惚の内部がよく感取され、即ち他の恍惚内部との相関関係に於て僅かに暗示・表現することが出来るに過ぎないから。
— 中原中也 『芸術論覚え書』 青空文庫
全集に網羅されてる俳句は、日記旅行記等に挿入されているものを合計して、僅かにやつと八十句位しかない。
— 俳人としての芥川龍之介と室生犀星 『小説家の俳句』 青空文庫
近景には低い灌木がところどころ茂って中には箒のような枝に枯葉が僅かにくっ付いているのもある。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
掛川と云えば佐夜の中山はと見廻せど僅かに九歳の冬|此処を過ぎしなればあたりの景色さらに見覚えなく、島田|藤枝など云う名のみ耳に残れるくらいなれば覚束なし。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
街道の並木の松さすがに昔の名残を止むれども道脇の茶店いたずらにあれて鳥毛挟箱の行列見るに由なく、僅かに馬士歌の哀れを止むるのみなるも改まる御代に余命つなぎ得し白髪の媼が囲炉裏のそばに水洟すゝりながら孫|玄孫への語り草なるべし。
— 寺田寅彦 『東上記』 青空文庫
しかるに大宮口は、品川湾から東京の上町へでも、散歩するくらいの坂上りで、海抜僅かに百二十五メートルに過ぎない。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
或る他の國の或る小温泉では、僅かに一つの浴槽にやつと間に合ふ位の湯が生温るくて、それを熱くする爲に一生涯骨を折つて、やつと死ぬ一年前に成功した人がある。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
僅かに残っている白い鬢髪からも、長く垂れた白い眉尖からも雫が落ちた。
— 岡本かの子 『富士』 青空文庫
標準
barely
標準
only