思い煩う
おもいわずらう
動詞-五段-ウ行動詞-自動詞
標準
to worry about
文例 · 用例
トイレットの中か、または横丁の電柱のかげで酔っていながら、残金を一枚二枚と数えて、溜息ついて、思い煩うな空飛ぶ鳥を見よ、なんて力無く呟いてさ、いじらしいものだよ。
— 太宰治 『渡り鳥』 青空文庫
気立ての優しい年若な甚三の嫁が、姑の苛責のために、身も細るばかり、思い煩うのを見兼ねて、ひそかに連れて、甚三が夜のうちに逐電したと云う噂さが聞え出して笛の音は一時、ばったりと絶えた。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
思い煩うな、空飛ぶ鳥を見よ、播かず、刈らず、蔵に収めず、なんてのは素晴らしい自由思想じゃないか。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
明日のことを思い煩うな。
— 太宰治 『新郎』 青空文庫
日本のスタヴロギン君には、縊死という手段を選出するのに、永いこと部屋をぐるぐる歩きまわってあれこれと思い煩う必要がなかったのである。
— 太宰治 『狂言の神』 青空文庫
余は一週日の猶予を請いて、とやこうと思い煩ううち、わが生涯にてもっとも悲痛を覚えさせたる二通の書状に接しぬ。
— 森鴎外 『舞姫』 青空文庫
」と、奥さんも思い煩うように見えた。
— 岡本綺堂 『深見夫人の死』 青空文庫
かれら汝らを付さば、如何なにを言わんと思い煩うな、言うべき事は、その時さずけられるべし。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫