己が
おのが
連体詞
標準
my
文例 · 用例
菊岡久利の詩が、記憶を可なり無雑作に書き付けてゐる場合にも、猶一貫した流れを見せる所以のものは、彼のその克己が、彼の遠近法を乱すことがないからである。
— 中原中也 『菊岡久利著「貧時交」』 青空文庫
現今は欧羅巴も亦同じやうであり、唯少し異る点は、各人が自己に閉籠つて型を造り、それを精練してゐて己が赤裸々に生きないのが欧羅巴なるに反し、我等の間では、互につけ込み合ふことを承認し合つてゐる点であらう。
— 中原中也 『詩に関する話』 青空文庫
彼等は、認識能力或は意識によつて、己が受働する感興を翻訳する。
— 中原中也 『河上に呈する詩論』 青空文庫
他人の軽微な苦痛を己が享楽の小杯に盛ろうとする不思議な心理がいかなる善良な人々の心の奥にも潜在することを教えてくれたようである。
— 寺田寅彦 『重兵衛さんの一家』 青空文庫
媚態とは、一元的の自己が自己に対して異性を措定し、自己と異性との間に可能的関係を構成する二元的態度である。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
宗教界などを見ても、自己の修養をば丸で後廻しとして、社会を救うの、人を教うるのと、頗る熱心にやって居る輩もあるようなれど、自分に人格がなく修養がなくて、どうして社会を教うることが出来るであろうか、己が社会の厄介者でありながら、社会を指導するもないものだ。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
こういう絵にとっては自己がどんな自己であるかが生命である。
— 寺田寅彦 『二科会展覧会雑感』 青空文庫
昨夜の自己がどこで何をしてゐたか、どこを歩き※り、何を行動してゐたかといふことが、自分で解らない時の氣味わるさは、言語にいへない種類のものだ。
— 萩原朔太郎 『酒に就いて』 青空文庫
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