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後室

こうしつ
名詞
1
標準
dowager
文例 · 用例
十二 信如が何時も田町へ通ふ時、通らでも事は済めども言はば近道の土手々前に、仮初の格子門、のぞけば鞍馬の石燈籠に萩の袖垣しをらしう見えて、椽先に巻きたる簾のさまもなつかしう、中がらすの障子のうちには今様の按察の後室が珠数をつまぐつて、冠つ切りの若紫も立出るやと思はるる、その一ト搆へが大黒屋の寮なり。
樋口一葉 たけくらべ 青空文庫
十二 信如が何時も田町へ通ふ時、通らでも事は濟めども言はゞ近道の土手々前に、假初の格子門、のぞけば鞍馬の石燈籠に萩の袖垣しをらしう見えて、椽先に卷きたる簾のさまもなつかしう、中がらすの障子のうちには今樣の按察の後室が珠數をつまぐつて、冠つ切りの若紫も立出るやと思はるゝ、その一ツ構へが大黒屋の寮なり。
樋口一葉 たけくらべ 青空文庫
蘆の中に、色の白い痩せた嫗、高家の後室ともあろう、品の可い、目の赤いのが、朦朧と踞んだ手から、蜘蛛の囲かと見る糸|一条。
泉鏡花 悪獣篇 青空文庫
その後室内沈静にして、些々たる物音も聞えぬ事あり、時ありては畳を蹴立てて噪がしき響の起る折あり、突然、きいーきいーと悲鳴をあげて、さもくやしげに泣く音も聞ゆ。
泉鏡花 貧民倶楽部 青空文庫
色紙、短冊でも並びそうな、おさらいや場末の寄席気分とは、さすが品の違った座をすすめてくれたが、裾模様、背広連が、多くその席を占めて、切髪の後室も二人ばかり、白襟で控えて、金泥、銀地の舞扇まで開いている。
泉鏡花 木の子説法 青空文庫
……旧主人の後室様がお跣足でございますから、石松も素跣足。
泉鏡花 眉かくしの霊 青空文庫
華族の後室が抱いてござった狆が吠えないばかりですわ。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
それのみならず、令夫人が音楽を教えて、後室が茶の湯生花の指南をするのであるから。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
作例 · 標準
彼は前妻に先立たれた後、後室を迎えることはなかった。
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殿様が病に倒れた後、後室が政務を取り仕切った。
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物語の主人公は、若くして後室となった女性だった。
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