脈動
みゃくどう
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
pulsation
文例 · 用例
すべての有限な統計的材料に免れ難い偶然的の偏倚のために曲線は例のように不規則な脈動的な波を描いている。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
しかしあのろうそくの炎の不定なゆらぎはあらゆるものの陰影に生きた脈動を与えるので、このグロテスクな影人形の舞踊にはいっそう幻想的な雰囲気が付きまとっていて、幼いわれわれのファンタジーを一種不思議な世界へ誘うのであった。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
堪え難い苦痛があの大きな肉体の中一体に脈動しているように思われるが、物を云う事の出来ない馬は黙ってただ口を動かし唇をふるわしていた。
— 寺田寅彦 『断片(1)』 青空文庫
すなわち、心の流れによって人間の心理が一歩一歩おし進められて行き、呼吸と血液の脈動とによって肉体が新陳代謝を行い、両々相俟って自己の生存を遂げて行くところのこの大切な生命の流れは、その原動力なる心の流れと呼吸血流の遅速によって非常の影響を受けるのです。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
その一見、平々凡々な、何んでもない出来事の連続のように見える彼女の虚構の裡面に脈動している摩訶不思議な少女の心理作用の恐しさ。
— 夢野久作 『少女地獄』 青空文庫
しかし、思うに、かような脈動は輻射放出の結果として多分急速に阻止されてしまうであろう。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫
その意味で作家馬琴の所謂教養はつまらなくもあるけれども、今日の私たちに興味を抱かせる点は、官学派のようなこの作家も時代の活きた脈動には自ずとつきうごかされるところがあって、当時の諸国往来の風俗・俚謡・伝説などにつよい関心を示しているところは面白い。
— 宮本百合子 『作家と教養の諸相』 青空文庫
人間生活のある場面では、低い形での幸福の外見が破壊されても、その過程の人間生活としての意味がはっきりそのひとの精神に統率されているときには、そこに一つの美としての幸福感が脈動していることもあり得ることを示しているのである。
— 宮本百合子 『幸福の感覚』 青空文庫
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出典: 脈動 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0