白煙
はくえん
名詞
標準
white smoke
文例 · 用例
T「我が慈悲道得の刀を 受けよと言うより早く」 と話す武蔵「スラリとばかりT「両刀抜き放ちて 飛びかかり」 身振り手振りも面白くT「この時妖雲 谷を覆い 山は轟々 と鳴り響く」S=辻堂 猛々と立ちこめた白煙。
— 山中貞雄 『武蔵旅日記』 青空文庫
次の日のまだ登らないうち立野を立って、かねての願いで、阿蘇山の白煙を目がけて霜を踏み桟橋を渡り、路を間違えたりしてようやく日中時分に絶頂近くまで登り、噴火口に達したのは一時過ぎでもあッただろうか。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
天地|寥廓、しかも足もとではすさまじい響きをして白煙|濛々と立ちのぼりまっすぐに空を衝き急に折れて高嶽を掠め天の一方に消えてしまう。
— 国木田独歩 『忘れえぬ人々』 青空文庫
白煙|濛々と立昇る地獄穴|溶岩を覗いて、未醒画伯と髯将軍、快哉を叫んで躍り上がったところが、忽ち麓から吹き上ぐる濃霧に包囲されて、危うく足踏み外し白煙中へ捲き込まれんとし、二人、一生懸命|巌に獅噛み付いて、ようよう命を陥さずに済んだそうである。
— 井沢衣水 『本州横断 痛快徒歩旅行』 青空文庫
狗が尾を振つて此方を一顧する、曳金に指をかける、狗は一躍する、鴫はパツと立つ、ドーンと撃ち放す、濛々たる白煙の消える時には、ハヤ狗が其の手柄の獲物を銜へて駈けて來る、といふ調子に行つたら實に愉快だナア、などと考へる。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
客を接する人も居らず、岑閑とした霧の暮に、あらい金網を張つてゐる危ふげな突端にいたると、一谷|呀然として開けて、たゞ白煙蒼霧の埋めてゐるかなたに、恐ろしい瀧の音が不斷の響きを立てゝゐるばかりであつた。
— 幸田露伴 『華嚴瀧』 青空文庫
犬が尾を振って此方を振り向く、引き金に指をかける、犬は一躍する、鴫はパットと立つ、ドーンと撃ち放つ、モウモウとした白煙が消える時には、ハヤ犬がその手柄の獲物を咥えて駆けて来る、という調子にいったら実に愉快だナアなどと考える。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
検疫官がその忙しい間にも何かしきりに物をいおうとした時、けたたましい汽笛が一抹の白煙を青空に揚げて鳴りはためき、船尾からはすさまじい推進機の震動が起こり始めた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
作例 · 標準
火事の現場から白煙が立ち上り、消防隊員が急行した。
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古い機関車が汽笛を鳴らしながら、白い煙をモクモクと吐き出した。
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工場から立ち上る白煙は、排気ガスの浄化がされている証拠だった。
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