獣性
じゅうせい
名詞
標準
brutality
文例 · 用例
自分より新米の者の前では、すっかり、その本性の野獣性を曝露する小山は、支配人が居るとまるで別人になった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
女主人公が穴蔵へ引っ込んだあとへイルマが蠅取り紙を取り換えに来る、それをながめていたおやじの、暑さでうだった頭の中に獣性が目ざめて来る。
— 寺田寅彦 『映画雑感(4)』 青空文庫
早くからその狂暴の猛獣性を看破し、こころよからず思っているのである。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
あまりに犬の猛獣性を畏敬し、買いかぶり節度もなく媚笑を撒きちらして歩いたゆえ、犬は、かえって知己を得たものと誤解し、私を組みしやすしとみてとって、このような情ない結果に立ちいたったのであろうが、何事によらず、ものには節度が大切である。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
野性、獣性を発揮して思ふ様暴れてやらうと云ふ兇暴な決心をするのは、斯の様な被告には、有勝なことである。
— 平出修 『逆徒』 青空文庫
故に例えば東洋の絵は、竹を描いても虎を描いても、その植物や動物が持っているところの、真の実有相なる直情性や猛獣性やを、形以上のメタフィジックな本質から直観し、意味それ自体を直接に強調している。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
蛮野より文化に進みたるは左までの事にあらず、この至妙なる霊能霊神を以て遂には獣性を離れて、高尚なる真善美の理想境に進み入ること、豈望みなしとせんや。
— 北村透谷 『各人心宮内の秘宮』 青空文庫
資本主義文化が体現するところの、虚無思想、唯物思想の機構の中に、血も涙も無い無良心な、獣性丸出しの優勝劣敗哲学と、功利道徳の行き止まり状態を発見したに違いない。
— 夢野久作 『近世快人伝』 青空文庫
作例 · 標準
極限状態に置かれた人間が、理性を見失って剥き出しの獣性を露わにすることがある。
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その映画の悪役は、目的のためなら手段を選ばない底知れぬ獣性を秘めていた。
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戦争という狂気の中で、兵士たちは自らの中に眠る獣性に怯えていた。
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