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無一物

むいちもつ異読 むいちぶつ
名詞名詞-の形容詞
1
標準
having nothing
文例 · 用例
そこへ金と言い、お茶の湯と言い、全然|嗜みのない本来無一物が、偶然中の偶然とも言うべき機会から、何も知らずに参室したのだから、一代の光栄どころでない。
夢野久作 お茶の湯満腹談 青空文庫
彼行くに所なくして、あえてこの無一物裡に一物を庶幾し来れるにあらざらんや。
有島武郎 星座 青空文庫
無一物底無尽蔵は観念として解つてゐるだけだが、無一物中無関心は体験として解つてゐる。
伊佐行乞 行乞記 青空文庫
その抵当に邸宅を取られた彼は、再びもとの通りの無一物になってしまった。
夢野久作 夫人探索 青空文庫
そうしてまたもや無一物の再出発をしなければならなくなった。
太宰治 十五年間 青空文庫
なんといったって、私は、ほとんど無一物の戦災者であって、妻子を引き連れ、さほど豊かでもないこの町に無理矢理割り込ませてもらって、以てあやうく露命をつなぐを得ているという身の上に違いないのであるから、この町の昔からの住民に対しては、いきおい、軽薄なる社交家たらざるを得なかった。
太宰治 親友交歓 青空文庫
かつては書店の主人であったが、愛妻の病没により、哀傷の極は発願して、奮って無一物の真の清貧に富もうと努めた。
北原白秋 木曾川 青空文庫
着物は薄く懐中は無一物で、食物をくれる同情者のない時には水を飲んで餓えを凌ぎ、宿を貸してくれる処がなければ、木の葉を敷いて野宿をした。
田中貢太郎 黄金の枕 青空文庫
作例 · 標準
彼はすべてを失い、文字通り無一物の状態になった。
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人生の最後に無一物となることを覚悟し、自由に生きてきた。
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家が火事で焼けてしまい、彼は無一物になってしまった。
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2
標準
being free of earthly attachments
作例 · 標準
禅の教えでは、世俗の欲を捨てて無一物の境地を目指す。
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高僧は、無一物であることの豊かさを説いた。
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彼は物質的なものに一切執着せず、無一物の精神で生きていた。
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