鯨
クジラ異読 くじら
名詞頻度ランク #12116 · 青空 1311 例
標準
whale (Cetacea spp.)
文例 · 用例
菜の花や鯨も寄らず海|暮ぬ 菜種畠の遠く続いてる傾斜の向うに、春昼の光に霞んだ海が見え、沖では遠く、鯨が潮を噴いてるのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
旅行の目的は、もしも運がよかったら鯨を捕る光景が見られるというのと、もう一つは、自分の先祖のうちに一人室戸岬の東寺の住職になった人があるのでその墓参りをして来るようにという父からの命をうけていたことである。
— 寺田寅彦 『初旅』 青空文庫
翌日は東寺に先祖の一海和尚の墓に参って、室戸岬の荒涼で雄大な風景を眺めたり、昔この港の人柱になって切腹した義人の碑を読んだりしたが、残念ながら鯨は滞在中遂に一匹もとれなくて、ただ珍しい恰好をして五色に彩色された鯨漁船を手帳にスケッチしたりしただけであった。
— 寺田寅彦 『初旅』 青空文庫
父は維新前いわゆる御鯨方の支配の下に行われた捕鯨の壮観と、大漁後のバッカスの饗宴とを度々目撃し体験していたので、出発前にその話を飽きるほど聞かされていた。
— 寺田寅彦 『初旅』 青空文庫
しかし今になって考えてみるとそのおかげでかえって自分の頭の中には父の言葉で描かれた封建時代の捕鯨の光景がかなり鮮明な影像となって四十年後の今日もまだ保存されているのである。
— 寺田寅彦 『初旅』 青空文庫
この鯨絵巻の写しや、硯石で昔から知られた行当岬のスケッチや、祖先の出身だという一世一海和尚の墓の絵などが郷里の家に保存してあったはずであるが、いつの前にかもう無くなってしまったか、それともまだ倉の中のどこかに隠れているか不明である。
— 寺田寅彦 『初旅』 青空文庫
この鯨の絵巻物はおそらく昔の御鯨方に伝わった最貴重な伝書のようなものではなかったかと思う。
— 寺田寅彦 『初旅』 青空文庫
鯨取りもとうにもうノルウェー式か何かになってしまったはずだから、自分が父から聞いたような美しい勇ましい夢物語はやはり永久の夢物語になってしまったに相違ない。
— 寺田寅彦 『初旅』 青空文庫
作例 · 標準
「うわあ、大きい!」ホエールウォッチングで、船のすぐ近くで潮を吹く鯨に遭遇した。
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博物館の天井に吊るされたシロナガスクジラの骨格標本は、圧倒的な迫力だ。
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昔の漁師たちは鯨を「海からの授かりもの」と呼び、村全体でその死を悼んだ。
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