伎芸
ぎげい
名詞
標準
performing art
文例 · 用例
材能伎芸を以て奉承するは男芸者の職分である。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
全盛期を過ぎた伎芸の女にのみ見られるような、いたましく廃頽した、腐菌の燐光を思わせる凄惨な蠱惑力をわずかな力として葉子はどこまでも倉地をとりこにしようとあせりにあせった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
秋篠寺の伎芸天女や、薬師寺の吉祥天といつたやうな結構な美術品は幾度となく見は見たが、いつといふ事なし、それ丈では何だか物足りなくなつて、旅籠の夜の徒然に、ある時三味線を弾く妓を聘んでみた。
— 大正六(一九一七)年 『茶話』 青空文庫
細かい砂礫を敷き詰めた堂の内部には、蜘蛛の巣と煤が鐘乳石のように垂れ下っていて、奥の暗がりの中に色泥の剥げた伎芸天女の等身像が、それも白い顔だけが、無気味な生々しさで浮き出していた。
— 小栗虫太郎 『後光殺人事件』 青空文庫
勿論偶然の相似だろうが、この顔が実に伎芸天女そっくりだとは思わんかね」「それより法水君」検事が莨を捨てて坐り直した。
— 小栗虫太郎 『後光殺人事件』 青空文庫
すると、それから考えると同じ事だけれども、喬村君と空闥の体躯が被害者そっくりだったと云う事や、また、柳江と伎芸天女の相似なども、たしかにあれは、自然の悪性な戯れに違いないのだよ。
— 小栗虫太郎 『後光殺人事件』 青空文庫
成程御姫様の御美しさは、伎芸天女も及ばぬほどではございますが、恋は恋、釈教は釈教、まして好物の御酒などと、一つ際には申せませぬ。
— 芥川龍之介 『邪宗門』 青空文庫
此が田楽の基礎になつた「田遊び」の本態で、其|呪師伎芸複合以前の形です。
— 折口信夫 『翁の発生』 青空文庫