風呂釜
ふろがま
名詞
標準
bath heater
文例 · 用例
内部は半分は土間で、つくりつけの竈が二つ並んでおり、その隅にやはり竈の上にのっけて固めた工合の風呂釜がある。
— 田畑修一郎 『石ころ路』 青空文庫
その子供達の家へ風呂を貰ひに行くと、七十位の盲目で耳の遠い老婆が、風呂釜の下を燃してくれながら、いろいろと東京の話を聞きたがつた。
— 或は病める薔薇 『田園の憂欝』 青空文庫
風呂釜の火が一しきりゆらゆらと燃え上つて、ふと、この腰の全く曲つて居る老婆を照すと、片手に長い薪を持つた老婆は、広い農家の大きな物置場の暗闇の背景からくつきり浮き上つて、何か呪を呟く妖婆のやうにも見えた。
— 或は病める薔薇 『田園の憂欝』 青空文庫
湯のぬるき居風呂釜を脚婆かな 還珠 この句は冬の季にはなっているが、何の季題に分類すべきかということになると、ちょっと判断に苦しまざるを得ぬ。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
居風呂に入ったところが、いささか湯がぬるいので、脚を直接風呂釜に当てて見た、という意味らしく見える。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
通円ヶ茶屋の軒には、上品な老人が茶の風呂釜をすえて、床几へ立ち寄る旅人に、風流を鬻いでいた。
— 水の巻 『宮本武蔵』 青空文庫