盂蘭盆
うらぼん
名詞
標準
Bon festival (Buddhist ceremony held around July 15)
文例 · 用例
ひと月前の七月十三日の夜には哲学者のA君と偶然に銀座の草市を歩いて植物標本としての蒲の穂や紅花殻を買ったりしたが、信州では八月の今がひと月おくれの盂蘭盆で、今夜から十七日まで毎晩この温泉宿の前の広場で盆踊りがあるという。
— 寺田寅彦 『沓掛より』 青空文庫
――盂蘭盆の墓詣に、其のなき母を偲びつゝ、涙ぐみたる娘あり。
— 泉鏡太郎 『婦人十一題』 青空文庫
時は盂蘭盆にかかって、下町では草市が立っていよう。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
分けて、盂蘭盆のその月は、墓詣の田舎道、寺つづきの草垣に、線香を片手に、このスズメの蝋燭、ごんごんごまを摘んだ思出の可懐さがある。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
私が六歳位の時、愛宕神社の祭礼だつたか、盂蘭盆だつたか、何しろ仕事を休む日であつた。
— 石川啄木 『刑余の叔父』 青空文庫
……お米さん、私は、おなじその年の八月――ここいらはまだ、月おくれだね、盂蘭盆が過ぎてから、いつも大好きな赤蜻蛉の飛ぶ時分、道があいて、東京へ立てたんだが。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
」 辻町は、あの、盂蘭盆の切籠燈に対する、寺の会釈を伝えて、お京が渠に戯れた紅糸を思って、ものに手繰られるように、提灯とともにふらりと立った。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
盂蘭盆の夜が更けて、燈籠が消えた時のように、羽織で包んだ初路の墓は、あわれにうつくしく、且つあたりを籠めて、陰々として、鬼気が籠るのであったから。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
作例 · 標準
例句